原発処理水の海洋放出が迫り、関係者は新たな風評被害を心配しています。
Q.率直に海洋放出についてどう思われますか?
渡邉さん「やっぱり、正直心配ですけれども。原発事故も乗り越えていますので、汚染水も全部乗り越えられると思っています」
広野町で生まれ育った渡邉さん。16歳で料理の道を志しました。

いわき市の寿司店で3年ほど働いたあと、料理の鉄人として知られる道場六三郎さんのもとで修行を積み、2008年に今の店をオープン。

原発事故後、出荷制限で「常磐もの」を使えない期間はあったものの、これまで地元の海の幸を重宝してきました。

12月6日。この日、渡邉さんが訪れたのは、市内の鮮魚店です。
渡邉さん「おはようございます。よろしくお願いします。きょうはどうしよ、ヒラメとアンコウ、メヒカリ」

店内には、メヒカリやヒラメ、さらにここ最近、水揚げされる伊勢エビなどいわきを代表する「常磐もの」がずらりと並んでいます。

震災前から、漁業関係者と信頼関係を育んできた渡邉さん。
毎日のように市場や鮮魚店に足を運び、地元の新鮮な海産物を仕入れています。
福助水産・西谷元さん「(渡邉さんは)魚をすごく丁寧に扱っておいしくしてくれるすごい人ですね。常磐ものは全国の人に出しても恥ずかしくない魚たちなので、多くの人に食べてもらいたいですね」

漁業関係者が抱く思いは、渡邉さんの「信念」とも重なる部分がありました。
渡邉さん「(2008年に)オープンしてすぐ、常磐ものの魚を使わせてもらっていたんですが、本当に常磐もの、いわきの魚が大好きで、地元の魚をお客様に提供したい、あと地元のお客様を大事にしたいという思いがあって常磐ものを使っております」
