不正融資などの問題を受け、金融庁は3日、いわき信用組合に対し、立ち入り検査に着手しました。

水津邦治アナウンサー「一連の不祥事が明らかになったいわき信用組合では現在、金融庁の立ち入り検査が行われています」

関係者によりますと、いわき信用組合の本店では、きょう午前から、金融庁が立ち入り検査に入りました。検査で金融庁は、不正の全容解明に向け、事実関係の確認を進めるものとみられています。

金融庁は先月29日、いわき信用組合に対し、業務改善命令を出していて、今月30日までに改善計画の提出を求めています。

一方、いわき信用組合は、3日から組合員の代表=総代を集めた総代会を開きました。総代会には40人あまりが出席し、組合側が謝罪したほか、一連の経緯の説明があったということです。

総代会は地区別に順次行われる予定で、5日もいわき市内で実施される予定です。

第三者委員会の調査によりますと、組合ではおよそ20年にわたって、口座の無断開設やう回融資により、少なくとも247億円を不正に融資したことが明らかになっています。

加藤金融担当大臣は3日、いわき信用組合に対し、去年11月に報告を求めた際、行っていない内部調査を「実施済み」と報告していたことを明らかにし「極めて遺憾」との認識を示しました。

加藤勝信金融担当大臣「第三者委員会で指摘されている組合の問題点も参考にしつつ、民事・刑事両面からの責任追及を着実に進めることは当然のこと、経営管理体制の抜本的な見直しを含め、同組合の業務改善を強く指導するとともに、改善に向けた取り組みを厳しく確認・検証していきたいと考えています」

また、問題の影響は、いわき市の公共施設にも…。

一連の不正を受けて、いわき信用組合は2日、市と契約していたいわき芸術文化交流館「アリオス」にある小ホールのネーミングライツ=命名権の解除を申し出ました。契約はおととしから、5年間となっていました。市は解除の申し出に応じる方針だということです。