初めて子どもたちに話した震災のこと

そして迎えた、3月11日。特別授業が行われました。震災の翌日、突然の避難を強いられた新妻さん。当時の経験を、初めて子どもたちの前で話しました。

新妻さん「一番の親友は、最初に避難した田村市の学校も違った。県外の中学校に避難したので、ずっと仲がよかった子と再会したのは数年後。実家に新たに住むとなった際は、家のものは全部捨てて下さいと言われた。勉強机や写真は全部捨てられちゃいました。放射線の影響です」

南郷校長「14年前の3月11日は大切なものが突然「避難して下さい」となくなってしまった日でした。色々大切なものがなくなってしまった時に、みんながどう感じるのか、きょうは想像したいと思います」

そして行われた追悼式。大熊町では、関連死を含め144人が亡くなりました。復興への願いを込めて、それぞれが3.11、そして大熊町について考えました。

5年生「忘れてはいけない1日だと思う。大熊をいい町にしたい」
4年生「お父さんやお母さんがいるとか、家があるのが当たり前ではない人もいるので、そういう人たちの分も私たちがいっぱい幸せになりたい」

新妻さん「私も当時のことを聞かれたら、こういう町・生活だったと伝え続けていきたいし(子どもたちには)自分にこれから何ができるかを考えていってほしい」

震災・原発事故から14年。新妻さんは、未来を担う子どもたちに自らの記憶をつないでいきます。