福島県の相双地方で、『食』でにぎわいを取り戻そうと活動する、ある青年がいます。小学1年生の時に被災した彼の夢は、浜をお腹いっぱいにを満たすことです。

慣れた手つきで大きな鍋を揺らすのは、福島県南相馬市小高区出身の大和田洸翔(こうき)さん(20)。毎日、お弁当を作り、相双地域をめぐり配達します。

南相馬市に住んでいた大和田さんは、小学1年生の時、被災しました。

大和田洸翔さん「児童クラブで過ごしていた時に地震が起きて、先生が『机の下に隠れろ』と言っていたのを覚えています。ものすごく怖いっていう思いしかなかった」

さらに、避難先の静岡で受けたのは、心無い、いじめと差別でした。

大和田さん「(避難先では)悪いイメージしかなくて、近寄るなとか、帰れとか言われたっていうのがありますね」

支えになったのは、避難先で始めた野球を通じて出会った友達の存在。高校は、宮城の学校に進学し、仲間とともに甲子園にも出場しました。

大和田さん「東北代表として行かせてもらったので、東北の野球は強いんだぞって思わせるためにも勝ち続けなきゃっていう思いもあった」