福島第一原発の処理水の放出が始まっておよそ1年半。処理水をためていたタンクの解体作業が、13日から始まる予定でしたが、強風のため延期になりました。
福島第一原発にある処理水をためるタンクは現在1046基ありますが、処理水の海洋放出がおととし8月から始まり、これまでに10回の放出が完了しています。こうした中、13日から、空になった溶接型のタンクの解体が始まる予定でした。
しかし、現場は強風。安全性を考慮して、クレーンでふたを撤去する解体作業は14日以降に延期となりました。
東京電力汚染水対策プログラム部・前城直輝さん「作業の中止基準を超える風が吹いているので、きょうの作業は中止させていただきました。明日以降天候がおさまれば作業の中止基準を下回れば進めていきたい」
今後、解体されたタンクはコンテナに収容し、敷地内の一時保管エリアに仮置きされることになっています。
前城さん「溶接型タンクを解体するのは初めてとなる。まずひとつひとつの作業手順を確認しながら、まずは安全最優先で進めていきたいと思っている」
一方、2号機の燃料デブリの1回目の試験的取り出しは、去年11月に行われました。
東京電力燃料デブリ取り出しプログラム部・中川雄介さん「福島第一の廃炉作業をしっかり進めていくところで、燃料デブリの取り出しは一番肝になってくるところと思っているので、それを確実に進めていく」
東京電力では、2回目の試験的取り出しは、先端の装置がより安定するよう改良を加えて、早ければ3月から行うとしています。