福島第一原発で、ミスにより中断されていた燃料デブリの試験的な取り出しについて、東京電力は10日、作業を再開しました。
東電によりますと、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料=燃料デブリ取り出しに向けた準備作業は10日午前6時半から始まりました。午前7時20分に、格納容器の中と外を隔てる「隔離弁」を通過し、燃料デブリの取り出しに着手したということです。
燃料デブリの取り出しに着手したことで、廃炉に向けた工程は「第3期」に入りました。
工程表=ロードマップでは、第1期が使用済み燃料プールからの燃料取り出し、第2期がデブリ取り出し開始までとなっていて、10日から第3期、廃炉完了までの期間に入ります。

当初は2021年12月の予定でしたが、3年近く遅れて、第3期に移行することになりました。第3期は、廃止措置=つまり、廃炉に向けた期間ということになりますが、どういう状態を廃炉とするのかは、まだ決まっていません。
一方、燃料デブリの取り出しそのものも、課題が残されています。今回の作業で取り出されるのは、3グラム以下、耳かき1杯分の予定です。デブリは1号機から3号機までで、およそ880トンあるとみられていて、計画ではこれをすべて取り出すこととなっています。
東電はまず、今回取り出されたデブリを専門機関で分析して、今後の対策に生かす方針です。











