高線量、重装備…ミスはなぜ起きた?

パイプは7月27日に、協力企業の作業員が搬入しました。このとき、2番から5番までを搬入したところで、放射線量が高かったため、早く現場を離れる必要があり、「1番」のパイプを仮置きの状態にしていました。

そして、この翌日、パイプにケーブルを通す作業が行われましたが、別の担当者が、パイプが1本足りないことに気づきます。

ここで、パイプは1本残っていることに気づいたわけですが、報告や周囲の状況から、仮置きされていた1番を「2番」だと判断してしまいました。

押し込みパイプは2番から4番までは、同じ作りになっているため、被ばく量低減の観点から、4番と5番の間に、2番(実際は1番)を入れるよう指示があり「2、3、4、1、5」の順で、パイプが並べられました。

そして、パイプはこの状態のまま、作業開始の8月22日を迎えることになりました。

ミスが起きた背景の1つに、高線量で重装備が必要な環境だったために、短時間での作業が求められたことがあげられます。また、こうした準備作業を東電の社員は確認していませんでした。廃炉の最高責任者は、「管理が十分でなったことが今回の直接の要因」としていて、今後は社員による確認を進めていくとしています。