原発事故で帰還困難区域となった地域の伝統芸能について考えます。今月、福島県浪江町南津島地区の「田植え踊り」を大学生に伝承する取り組みがありました。伝統を大切にする地域の人たちと、プロジェクトを立ち上げた学生の思いを聞きました。

真剣なまなざしで、モニターを見つめる学生たち。今月27日、福島市に宮城県の東北学院大学の学生が集まりました。映し出されているのは、浪江町南津島地区の伝統芸能「田植え踊り」です。

南津島出身の今野実永さん。東北学院大学・南津島民俗調査プロジェクトの代表を務めます。
五穀豊穣を祈る南津島の田植え踊りは300年以上の歴史があるとされ、長い間、受け継がれてきました。ところが、原発事故で、南津島は帰還困難区域となり、踊りの担い手が、避難してバラバラとなったことから危機的な状況にあります。

南津島芸術保存会・三瓶専次郎会長「我々も60、70代の年配の方ばかり。いま何とか、芸術保存会の会員として伝統を絶やさないようにと思ってがんばっていますが、原発事故のためにみんなバラバラ他県に行った人は協力したくても協力できない状況です」
座学を終え、学生たちは保存会のメンバーの踊りを実際に見て、その動きを焼き付けます。