今月3日から降り続いた大雨で喜多方市山都町にある棚田も水路や法面が崩落するなど大きな被害を受けています。「来年の作付けは絶望的」。300年近くの歴史があり農林水産省の「つなぐ棚田遺産」にも選ばれた「上堰棚田」のいまを取材しました。
喜多方市山都町にある「上堰棚田」。300年近く続く歴史ある棚田です。
「上堰棚田」は、美しい景観を未来に残そうと創設された農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に今年選ばれました。
しかし今月3日から降り続いた大雨で、一部の法面が崩落し稲に土砂が押し寄せる被害がありました。
本木・早稲谷堰と里山を守る会大友治さん
「約20メートル(の水路が)落ちた。ブロックが積んでいたがブロックそのものがひっくり返った。」
約6ヘクタールの棚田に水を供給する水路が大きく崩れました。
棚田を管理する大友さんは、被害の全容は把握していないものの全長約6キロに渡る水路で100か所ほどに損傷があるとみています。
コメを膨らませ濁ったコメにならないようにするために、いまが最も水を必要とする時期ですが、棚田に水を全く供給できないため、適切な量の雨が降らなければ今年は収穫できないといいます。
また水路を直すためには莫大な費用や時間を要するため、来年の作付けは絶望的だといいます。
大友治さん
「単に長く続けているというわけではなく、自然を生かすための知恵が詰まっている結晶でもあるので、このような状況でも(未来に)どうつなげていくか考えていきたい。」