処理水放出 原告側は「二重の加害」

法廷闘争に発展した処理水の海洋放出。訴えのポイントをまとめました。

原告は、県内外の市民や漁業関係者などで、151人の1次提訴の後、2次提訴で212人が加わって、363人となりました。原告は県内のほか、新潟や茨城、千葉、北海道など、全国から参加しています。

被告は国と東京電力です。原告側は国=原子力規制委員会に対して、放出する際に出した認可などを取り消すよう求めています。また、東電には、海への放出をやめるよう求めています。

原告側は放出を「二重の加害」と位置づけました。原発事故という「重大な過失」により、平穏に生活する権利を侵害された当事者に対し、処理水の放出は「故意に行う新たな加害行為」と主張しています。

そして、漁業者に対する政府の支援策について、このように主張しています。「援助をしなければならないこと自体、漁業価値の減少や毀損が生じていることの証左」としています。

原告の主張に対し、国と東電は、全面的に争う姿勢を見せました。

法廷闘争に至った処理水の海洋放出ですが、処理水の放出に関してはIAEA(国際原子力機関)が国際的な安全基準に合致していると評価する中、裁判所がどう判断するのか注目されます。