東日本大震災の発生から3月で13年になります。こうした中、震災の風化を防ぐため、被災地を世界文化遺産に登録しようというフォーラムが仙台で開かれました。
このフォーラムは、震災の風化を防ごうと、被災地のガイドブックを制作している団体が開いたもので、市民およそ30人が参加しました。
12日は「震災の被災地を世界文化遺産に登録しよう」というテーマでパネルディスカッションが行われ、震災の津波により宮城県石巻市の大川小学校で次女を亡くした佐藤敏郎さんらが意見を交わしました。
佐藤さんは、大川小の校舎が残されたことには大きな意味があると話しました。
佐藤敏郎さん:
「あれだけのものが残っているということは、(当時の)町やあの時の事故のことを伝える意味でもとても大きなことだと思っている」

また、世界文化遺産への登録に向け、災害の歴史を学ぶ観光、「ダークツーリズム」の取り組みを進めることが必要との意見が出ました。
参加者:
「認知されてほしいという希望はあるが、いわゆる経済的な発展だとかそういうものには安易に繋げないでほしいという思いもある」

「ダークツーリズムを成功させれば、(登録には)大丈夫なんじゃないかと思っている」

参加者は、震災から13年を前に、風化を防ぐ伝承活動の重要性を改めて感じていました。