登米森林組合が、震災後導入したのが太陽熱を利用した「トスムス」という施設です。

今野桂吾気象予報士:
「このトスムスのなか、外に比べてだいぶ温かくなっているのですがその秘密がこちら、この吹き出し口からはなんと40度くらいの風が勢いよく出ているんです」

屋根のトタン板で温められた空気がファンに集められ室内へと送られていく仕組みです。太陽の熱を再利用することで「あるもの」を大幅に削減することができました。

登米森林組合 竹中雅治さん:
「私たちの所にある灯油を使う乾燥機、これが年間約2万リットルくらい灯油を消費します。そうした時に、この太陽熱乾燥庫を使うことによって、灯油の使用量を1万リットル削減できて、25トンの二酸化炭素の排出を削減できる」

太陽熱を利用しながら温暖化の原因となるCO2を削減する。気候変動の緩和を実現している一例と言えます。

うだるような暑さが続いた夏場から4か月。季節が変わり、今は仙台でも冬の光景が広がっています。「地球沸騰化」に突入したと言われる時代。どのように気候変動と向き合っていくのか、考える必要があります。

さらに温暖化がすすめば宮城がミカンの産地になる可能性もあるということですが、一方でリンゴなどの農作物がこれまで通り栽培できるのか、という不安もあります。環境省の井上さんによりますと、こまめに電気や暖房のスイッチを消すなどできる所から始めていくことが気候変動の適応と緩和には大切だということです。