とにかく暑かった今年の夏。「地球沸騰化」という言葉が生まれるほどの暑さは、全国的にも環境の変化をもたらしています。激変する気候に、専門家は生き残りをかけた「緩和」と「適応」が必要だと言います。一体どんなことなのでしょうか。

ミカンの産地が北上

黄色くおいしそうに実ったミカン。ここは、和歌山や愛媛ではありません。

今野桂吾気象予報士:
「こちらはリンゴの栽培で知られる山元町のアップルラインなんですが、向かい側の畑にはなんと、ミカンが栽培されています」

現在、日本の北限とされる宮城県山元町のミカンです。町内で唯一のミカン農家の齋藤正直さん(83)です。青果の卸売業者にすすめられ5年前から栽培を始めました。

農家 齋藤正直さん:
「みんなから言われた。正直さん生きているうちにミカンがなって食べれるのかって。ミカンの木枯れるよって」

ところが、予想に反して生育し今年も300キロの収穫を見込んでいます。栽培を可能にした一因は、温暖化による気候変動です。

農家 齋藤正直さん:
「(小さい頃は)ため池の氷も張って氷滑りもできたぐらいだった。今は氷も薄氷は張るけども一面に張るってことはない。それぐらいあったかいと思ってる」

ただ、今年は温暖化を通り越して「地球沸騰化」という言葉も生まれるほどとにかく暑い日が続きました。