児童の遺族も見守る中で・・「初めての語り部」

児童の遺族で、大川伝承の会で語り部を務める鈴木典行さんと佐藤敏郎さんのガイドに参加するため、午前中から大川小を訪れた学生たち。ガイドには、県の内外から多くの人が訪れていました。

大川伝承の会共同代表 佐藤敏郎さん:
「ここを走ってくる子どもたちの姿を思い浮かべてほしいです。簡単に思い浮かべられます、うちの娘がどんな顔して走ってきたか目に見えます」

およそ1時間。後藤さんたちは、時折、メモを取りながら大川伝承の会佐藤さんの話に熱心に耳を傾けました。語り部を終えると佐藤さんが学生たちに声をかけました。

大川伝承の会共同代表 佐藤敏郎さん:
「質問を受けたときにどう答えられるか、答えられないときは、よくわかりませんって言えばいい。おれなんかも今日言ったけど、それおれも疑問なんだよね、とかでもいい」

午後1時半、いよいよ後藤さんたち学生による語り部が始まりました。大川伝承の会の佐藤さんと鈴木さんも見守ります。

東北大学SCRUM代表 上園真輝人さん:
「式台に置かれていたラジオから、津波が迫ってくるという情報が流れ、避難を呼びかける中、子どもたちはいつ来るかわからない、得体のしれない津波の恐怖に襲われていました。早くお父さんお母さんに会いたい。早く暖かい家に帰りたい。そんな気持ちもあったかもしれません」

12年前のあの日、校庭に50分間留まり避難を始めたのは津波が来るわずか1分前でした。児童が津波に襲われた場所を案内する後藤さんたち。子どもたちがどんな思いだったのか、自分たちの言葉で伝えます。

東北大学SCRUM震災伝承部部長 後藤太朗さん:
「(遺体で見つかった)子どもたちをお父さん、お母さんたちはどんな気持ちで抱き上げたことでしょう。その様子を言葉にするのはとても難しいですが、親御さんたちは、何10年経ってもその気持ちを忘れることはできないと話します。見つかった子どもたちの中には、仲いい子たちが手をつないでいたり、お姉ちゃんが妹を両手で抱えよるようにする様子もありました」

後藤さんたちの言葉に涙を浮かべる参加者も。そして、語り部の最後に、後藤さんたちは参加者をある場所へと案内しました。