鎮魂の思いを込めて造りました。東日本大震災で被災した宮城県石巻市牡鹿半島の寺の跡地に、住職自らが整備した日本庭園が完成しました。

日本庭園が完成したのは、牡鹿半島の谷川浜地区にある「洞福寺」です。

寺の石田信孝住職(74)。土や砂利を運び込み、3カ月ほどかけて1人で造りました。

洞福寺 石田信孝住職:
「若いころから挿し木などつくって庭づくりをしてきたので、集大成に」

500年以上の歴史がある洞福寺。震災の津波で、本堂や住まいとしていた庫裡、完成したばかりの山門が流されました。

庭園は庫裡の跡地に造りました。ウメやシダレヤナギを植えたほか、枯山水のエリアは、古里の牡鹿半島をテーマとし、田代島や網地島、金華山を大きな石で表現しました。

周囲に配置した石は、住民から提供された庭石や建物の礎石を利用、鎮魂の思いを込めました。

洞福寺 石田信孝住職:
「地域で亡くなった人たちの供養と墓参に来た人の癒しをと思い造った」

谷川浜地区では震災で24人が死亡、または行方不明となりました。すべて寺の檀家でした。

洞福寺 石田信孝住職:
「(犠牲者の)供養と思い造ったので、言葉では言わなくてもそういう思いで見てもらえればと思います」

復興への願いも込めた日本庭園は、無料で見学が可能です。