焼夷弾でやけど「うじが膿を食べる音がする」

当時8歳だった仙台市若林区の林智徳さん(86)は、避難する途中、左手に焼夷弾の炎を浴びました。

林智徳さん:
「焼夷弾の油が手にベタっとくっついて音を立てて燃えるんですよ。ボーと手が燃えるんだね。左手が風船のように膨れ上がって、それが熱いの。あの熱さは筆舌に尽くしがたい」

林智徳さん

家族で山林に逃げ命は助かりましたが、左手の火傷で激痛に耐える日が続きました。

林智徳さん:
「夏だったので傷口にうじがわいたんです。うじが膿を食べる音がするんですよ。ピチャピチャという音だった。朝起きて左手にうじがうごめているあれはショックだったなあ。ほる力もなくて、ただ眺めていたのを覚えている」

一方、仙台の国分町で写真館を営む阿部邦彦さん(90)は当時12歳。夜が明けると、防空壕の中から引きずり出される多くの遺体を目の当たりにしました。