去年3月、宮城県内などで最大震度6強を観測した福島県沖を震源とする地震からあすで1年です。特に被害が大きかった県南部の現状を取材しました。

去年3月16日深夜に発生した福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震。

県内でも最大震度6強を観測し、特に県南部では多くの施設が被害に見舞われました。

阿部航介記者:
「現在の白石城です。3階部分に目をやりますと、ひびの入っていた壁が元通りに修復されています」

震度5強を記録した白石市では、白石城の天守閣で外壁や内壁が崩れ落ちるなどあわせて500か所以上で被害を受けました。

白石城は、2021年2月の地震でも被害を受けていて、あわせておよそ1億9000万円の修復費用をかけ、去年11月に再オープンしました。

京都からの観光客:
「地震が多い地域なので、元ある姿になってよかった」
福島からの観光客:
「感じないですね、地震で(被害が)あったなんて」

白石市まちづくり推進課 斎藤貴之地域振興係長:
「災害復旧工事の時から全国から白石城に対する励ましの声をたくさんもらって、私たちの励みになった。これからサクラのシーズンになりますので、サクラとのマッチングを楽しんでほしい」

一方、震度6弱を観測した山元町。地域で唯一の総合病院である宮城病院は、壁のひび割れや配管からの水漏れなど大きな被害を受けました。

しかし、休診することなく病棟の工事を続け、およそ1年で復旧が完了しました。

宮城病院 若佐孝男事務部長:
「このくらいの壁だった。これを太くした。3倍くらい太くした」

特に力を入れたのは耐震工事です。増築を重ねてきた宮城病院の病棟は地震に弱い部分が多かったため、柱を太くし、壁を厚くしたほか、柱と柱の間に鉄骨の梁を設け地震に耐えられるよう改良しました。

宮城病院 若佐孝男事務部長:
「非常に苦労しましたし、患者さんや家族に迷惑をかけたのでは。こういう風にきれいになったのを見るとやってよかったと思う」

宮城病院 若佐孝男事務部長

山元町の「山元いちご農園」です。

山元いちご農園 岩佐隆社長:
「この辺が壊して直したところ」

この農園でも栽培用のプランターが倒れたり、雨水をためるタンクが破損したりしておよそ6700万円の被害が出ました。

農園ではグループ補助金などを利用して復旧作業を進め、コロナ禍の影響も薄まったことから、今年はイチゴ狩りの客足が去年より2割から3割ほど伸びていると言います。

東京からの客:
「めっちゃおいしいです。ニュースで見ていて大変だなと思っていたので、元通りに営業できるようになってよかったです」

山元いちご農園 岩佐隆社長:
「おかげさまでこういう形できれいに直すことができて、直したおかげでイチゴ狩りのお客さんが平日でも入っていますのでありがたいと思っている」

地震から1年が経ち、復旧を終えた施設は、地域の中で新たな1歩を踏み出しています。