宮城県産のブランド米、ササニシキが復権を目指します。今年の秋に収穫される2023年米で誕生から60周年、還暦を迎えるササニシキの新しいロゴマークが7日、決定しました。
「発表いたします、最優秀賞を受賞されたのはエントリーナンバー3番、諏訪えりな様です!」


新しいロゴマークは全227作品の応募のうち、最終候補5作品を対象にした一般WEB投票を経て、大阪府の諏訪えりなさんの作品が選ばれました。ササニシキのサの字と、米粒を組み合わせています。

諏訪えりなさん:「(ササニシキを)ご存じない方でも今回のロゴを見て、少しでも興味を持ってもらえるようなロゴになればいいなという思いでロゴを作った」

今から60年前の1963年、県古川農業試験場で「ハツニシキ」と「ササシグレ」を交配させて誕生したササニシキ。

和食に合うさっぱりした味わいが好まれてササニシキ人気は全国に拡大。最も多かった1990年の作付面積は▼8万1755ヘクタール、作付割合は▼82.8%でしたが、栽培の難しさから1993年の大冷害を機につくられなくなりました。去年の作付は▼3933ヘクタール、▼6.7%まで減少し、ひとめぼれの10分の1以下となっています。

すし哲 白幡泰三社長:「宮城県のコメを開発するときに“ササ”というのを外してないから名前に、それだけササニシキが強烈なイメージがある」

食卓に上る機会が減ったササニシキですが、プロの料理人からは根強い支持を受けています。熱烈なファンの1人が白幡泰三さん、塩釜市の老舗すし店「すし哲」の社長です。白幡さんは、50年近く前からすし飯、シャリとしてササニシキを使用。

「いまも不動のナンバーワン」と絶賛します。
すし哲 白幡泰三社長:「必要以上に粘り気がなく、ほろっとほろけるくらいの適度な粘り気がしっかりある。ササニシキって本当においしいコメだと思う。理屈なしに私はうまいと思う」

白幡さんは、店で提供する寿司のおいしさについても「寿司のおいしさはコメのおいしさ」と話し、ササニシキの復権にエールを送ります。

すし哲 白幡泰三社長:「宮城の水と空気と土壌、こういうところでちゃんと育ったコメがササニシキ。ササニシキはものすごく大事にしなければならない」

ササニシキ60周年を機にJAグループ宮城は、若手農業者などを対象に、研修を行うなどして作付拡大に努める方針です。

JA全農みやぎ 大友良彦県本部長:「(栽培が)難しいというところだけが先行しているようなところもあるので、栽培の研修などをしっかり通して進めていきたい」

新しいロゴマークは、2023年産のササニシキのコメ袋のパッケージなどに採用されることになっています。








