東日本大震災の教訓を学ぼうと18日、宮城県石巻市内の中学生が震災遺構、門脇小学校を訪れました。石巻市は震災遺構での体験学習のモデルプランを作ることにしています。

石巻市の震災遺構、門脇小学校を訪れたのは桃生中学校の1年生48人です。

門脇小学校の解説スタッフ:
「ここは校長室でした、よく見てみてください」

生徒たちは、門脇小学校の校舎や、移設された仮設住宅などの展示を施設の解説スタッフの案内で見学しました。

門脇小学校の解説スタッフ:
「ここの教室にいたとして、地震きました、津波が来るってなったらどこに逃げますか?」
生徒:
「日和山」
門脇小学校の解説スタッフ:
「そうだよね、高台に逃げるっていうのが一番安全です」

また、この日のために特別講師も招かれました。その一人、佐藤美香さん。震災で、当時6歳だった娘の愛梨さんを亡くしました。

佐藤美香さん:
「娘は幼稚園の年長さんで、幼稚園の管理下で亡くなっています」

通っていた幼稚園は高台にあり津波を免れていました。しかし、愛梨さんは送迎バスに乗せられ、そのバスは沿岸部に住む子どもたちを家に送り届けるため、高台を下りました。そして津波にのまれ、その後の火災に巻き込まれたのです。

佐藤美香さん:
「見てもらいたいものがあります。こちらになります。こちらはクレヨンです。そしてこちらは幼稚園で使っていた上履きになります。実は娘は全身見つかっていません。なので、骨を1本でも2本でも拾ってあげたいとの思いから、娘が亡くなった場所に通うようになります。その中で見つけたものです」

佐藤さんは、生徒たちをその場所に連れて行きました。

佐藤美香さん:
「ここで私の娘は見つかりました。私たちは、3月14日にようやくこの場所にたどりつくことができました。私の娘は3月11日、朝、行ってきますと言って出ていきました。でも、ただいまの声をいまだに聞くことができません」

石巻市などは小中学校向けに門脇小学校での体験学習のモデルプランを作成する計画で、今回の訪問はそのテストケースの1つとして行われました。

参加した生徒:
「まずは自分の身を守って、余裕があったらほかの困っている人も助けたりしてできるだけ多くの命を救いたいと思いました」


「テレビでしか見たことなくて、実際に経験した人の声を聴くのは初めてで、帰ったらめっちゃ家族に話すと思いますね」

門脇小学校のリチャード館長は「こうした学習を通じ若い世代にも震災の伝承活動に参加してもらいたい」としています。