「大丈夫だから心配しないで」最後の言葉

強盗が来たのだろうか?病院へ向かう車中で、八島さん夫婦は動揺を抑えきれませんでした。コンビニエンスストアで働いていた和佳子さんは、アルバイト従業員たちに対して「強盗が来たら、すぐにお金を渡して」と指導していたと言います。

そのように教える立場だった和佳子さんがなぜ刺されたのか、八島さんは理解できなかったと当時を振り返ります。

病院に到着した時、和佳子さんは担架に乗せられて手術室へ向かうところでした。和佳子さんはまだ会話ができたといいます。

八島定敏さん:「わかちゃん、大丈夫かい?」
和佳子さん:「大丈夫だから心配しないで」

八島さんが医師に「娘は大丈夫ですか」と尋ねると、医師は「刺されているので腹を開けてみないと分からない。動脈が傷ついていると危ない」と話しました。2時間半の手術の末、和佳子さんは亡くなりました。「大丈夫だから心配しないで」それが、和佳子さんとの最後の会話となりました。