クマの出没が宮城県内で過去最多となる中、栗原市で18日、クマ被害を防ぐ緊急対策会議が開かれ、柿の木伐採への費用補助やクマ捕獲の謝礼を引き上げる緊急対策を決定しました。

栗原市内では10月3日、キノコ採りをしていた75歳の女性がクマに襲われ死亡し、別の70代の女性が今も行方不明になっています。市内の今年度の出没件数は17日現在で397件に上っています。緊急対策では、クマが好むとされる柿や栗の木など伐採を個人負担なしで市が実施します。対象はおよそ550本で2000万円の費用を見込んでいます。また、猟友会のクマ捕獲時の謝礼を1頭5000円から2万円に増額します。緊急対策の総事業費は7270万円に上るということです。

これまでのクマ捕獲に対する謝礼は1頭あたり5000円。これに対しイノシシは2万円とクマより高額でした。捕獲は、クマを駆除し埋設など処分するまでの作業が含まれます。クマの方が危険が伴うように感じられますが、市の担当者は「これまではクマの捕獲頭数が少なく、イノシシより安くなっていた」と説明し、来年度以降もクマ1頭2万円の謝礼を維持するということです。県内では今年度のクマの目撃情報などが2500件以上寄せられ過去最多となっていて、県では「クマ出没警報」を11月30日まで延長しています。