東日本大震災の津波で、宮城県石巻市の大川小学校に通う妹を亡くした女性が制作した映画が11日、初めて映画の舞台となった大川地区で上映されました。女性が映画に込めた思い、そして今思うこととは。
■大好きな大川で映画を撮りたい!
震災発生から11年9か月となったこの日、石巻市の大川地区で映画の上映会が開かれました。

上映される2つの作品を作ったのは、当時、大川小で6年生だった妹・みずほさんを亡くした佐藤そのみさん(26)。作品はともに、大川地区が舞台となっています。

佐藤そのみさん:
「当時中学生だったが、そこからいろいろ考えてきたことを映画にしたいなと思って、大学生の時に作ったものです」
子どもの頃から、大好きな大川で映画を撮りたいという夢を持っていたそのみさん。震災を機にその思いは強まり、大学の映画学科に在学中、大学や地元の仲間の協力で、劇映画とドキュメンタリー映画をそれぞれ制作しました。

震災という難しいテーマ、葛藤もあったと言います。
佐藤そのみさん(映画撮影当時):
「これを世に出したら、どんな立場の人がどんな反応をするんだろうと、怖くてできなかった。でもやるだけやってみようと」

作品は、これまでに東京や仙台、石巻市中心部などで上映されてきましたが、地元の大川では機会がありませんでした。