仙台駅西口の一等地にある「旧さくら野百貨店仙台店」跡地の再開発に名乗りを上げていた会社が再開発を断念したことについて、経済の専門家は仙台の商業圏へのマイナスイメージを懸念しています。

七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友(たぐち・やすとも)首席エコノミストは仙台駅前の一等地で注目度の高い再開発計画だっただけに、仙台の商業圏としての魅力に傷がつく可能性を指摘します。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友 首席エコノミスト
「『仙台が衰退しているんじゃないか』という印象を与えてしまうような、印象面でのマイナス効果がある。ひいては仙台に投資をしようと思っている事業者の判断材料としてもマイナスに働くのではないか」

今回、運営会社は「建築費の高騰」を再開発を断念した理由の一つに挙げています。

田口さんによりますと運営会社が土地を取得した2020年から2025年までで、建築コストは平均で3割ほど上昇していると指摘。

一方で本質的な理由がほかにもあると分析しています。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友 首席エコノミスト
「より本質的には建築コストを上回るほどの収益が見込めなくなっている収益面での弱さも理由の一つに挙げられると考えられる。言ってみれば商圏の魅力・ポテンシャルが低く評価された」

建築コストは今後も上がり続ける見込みで、跡地の活用はいち早く決断すべきと訴えます。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友 首席エコノミスト
「今は時間のコストがより高くつく状況にある。つまり待てば待つほど状況が悪化して不利になるということがあって、スピード感をもって早めに着手するほうがコストが抑えられる」