レジェンドとの真剣勝負
3年生最後の全国大会はベスト8で終わったが、高校野球人生には更なるサプライズが待っていた。
8月、バンテリンドーム ナゴヤで開催されたエキシビジョンマッチに「高校野球女子選抜」として出場。
相手は元メジャーリーガー・イチローさん率いるレジェンド揃いの「イチロー選抜」だった。

「真剣勝負なんで。ボコボコにします」とイチローさんが冗談交じりに言うと、菊田投手たちも「はい!」と元気に返す。

「すごく貴重な経験ができて嬉しかったし、緊張はすごくしたんですけど、楽しかったです」と菊田は振り返る。
「オーラはすごくあって、周りも立ち上がって見ちゃうぐらい」
「すごい強い選手の方々で、逆にこんな素晴らしい選手の方と対戦できることなんて、もう一生ないと思ってるんで。もう思いっきり楽しんで、打たれても何でもいいから全部全力で投げようと思って投げてたので。あんまり記憶にないです」
マウンドに立ったのは試合終盤。

あのイチローさんを迎える場面では「絶対当てないようにしようと思いながら緊張してました」と話す。
ライト前にヒットを打たれてしまったが、マウンド上には持ち前の笑顔で野球を楽しむ姿があった。
続く松井秀喜さんとの対戦では、打たれた後に大驚きの表情を見せた。

「もうスイングが強かったんであーっと思ってたんです。普通に癖なんで。ガッツリ芯で当たったわけではなかったんですけど、どこまで飛ぶんだろうって思って振り返って見てた瞬間です」

野球への愛を伝える未来へ
「もう1回あの大会あるならやりたいですか?」という質問には即座に「やりたいです」と答える。
「野球が大好き。その思いをさらに伝えたい。女子野球をもっと発展させれるようにプレイをして周りの人に知ってもらえるように頑張っていきたいなと思ってます」

笑顔の左腕。野球少女、菊田波音投手の挑戦は、始まったばかりだ。







