5日午前3時に小笠原近海で発生した台風22号は、5日午後9時現在、父島の南およそ300キロにあってほとんど停滞しています。このあと8日(水)頃までは発達しながら西寄りに進み、予報円の中心を通ると8日午後9時には日本の南で最大風速40メートルの強い勢力となり、中心気圧が955hPaまで下がる予想です。その後、9日(木)には向きを次第に北から東寄りに変え、10日(金)午後9時には強い勢力で伊豆諸島付近まで進んでくる予想となっています。

まだ予報円が大きく、進路にぶれがあることを示していますが、気象庁が9月30日に公開を始めたアンサンブル予報(少しずつ初期値をずらしたシミュレーション)を見ると、多くのメンバーが途中で向きを東寄りに変え、本州の南海上を東に進む予想となっています。

9日(木)頃から上空の偏西風が北日本を南下してくる見込みで、台風はそれに引っ張られるような形で向きを変えるとみられます。このため西日本だけでなく東日本でも台風の影響を受けそうです。
気象庁では8日(水)以降の早期注意情報(警報級の可能性)について次のように発表しています。
8日(水)…鹿児島県で警報級の波の可能性【中】
9日(木)…鹿児島県と宮崎県で警報級の風と波の可能性がともに【中】
10日(金)…伊豆諸島で警報級の風となる可能性が【中】、関東から東海(千葉、神奈川、静岡、愛知、三重の各県)で警報級の波の可能性が【中】
この期間、警報級の大雨の可能性はまだ発表されていませんが、偏西風の南下とともに北から寒気が流れ込むため、台風の周りの暖かい空気との間で前線が発生し、台風からある程度離れた場所でも雨脚が強まることも考えられます。今後の情報に注意してください。