三重県などが名産地の高級食材イセエビが今、宮城県南三陸町などの三陸沿岸で大量に漁獲されていることをご存じでしょうか。そのイセエビの生息状況を探ろうと8日夜、町の研究機関による初めての潜水調査が行われました。

水揚げされた多くの水産物が並ぶ南三陸町地方卸売場。そこに8日、運び込まれたのは、高級食材のイセエビです。温かい海を好むイセエビは三重県や千葉県などが産地ですが、ここ2、3年で南三陸町など三陸沿岸でも水揚げされるようになってきているのです。

買受人:
「イセエビはあまり食べたことがなかった。私たちも実際食べると甘味がある。これからも量が増えて(南三陸町)の新しい名物になってほしい」
特に今年に入ってからは、漁獲量が1300キロを超え、すでに去年の6倍以上の豊漁となっています。

南三陸町自然環境活用センター 及川浩人主任:
「2、3年前に冬で平年よりも(水温が)5度から7度ほど高かったことが一つの要因」

南三陸町自然環境活用センターの及川浩人主任は、ここ数年、東北地方の太平洋沿岸の海水温が高く、イセエビも生息できる環境になっていると話します。
南三陸町自然環境活用センター 及川浩人主任:
「南三陸町では東日本大震災の前から夏には生息していたが、冬を越せずにそのまま死滅していた。今は冬の海水が温かいので生存して生き延びている」
こうした中、及川さんたちは8日夜、イセエビの成育調査に乗り出しました。