■「変形した柿」に農家は困った!

丸森町の耕野地区です。お邪魔したのは、「ころ柿」の名で知られる丸森町特産の干し柿用の柿を育てている農家の八島哲郎さんの畑です。


八島哲郎さん:
「相当ひどいね」


八島さんは、この畑で干し柿用の柿の木、およそ200本を育てていて、今週中にも収穫を始める予定ですが・・・。

八島哲郎さん:
「だいたい8割以上が奇形、変形している。例えばこれ。これはどうにもならない。これとか・・・これね、ひどいやつだと」


通常の渋柿は、下から見ても出っ張りや引っ込みはありません。比べてみると一目瞭然、実が2つ3つにわかれたようなものや角が生えたようなものがありました。


八島哲郎さん:
「今までもあったんだけど、1本の木に1個あるかないかくらいだったんですけど、今年は軒並みダメ」


形がいびつだと機械を使っての皮剥きができず、剥いたとしても売り物になるか分かりません。

八島さんは例年、およそ3万個の干し柿を出荷していますが、去年は寒さによる霜の被害で収穫量が大幅に落ち込みました。今年も遅霜の影響で実の数はいつもの半分ほど。その8割に変形が見られるため、出荷できるのは例年の1割ほどになる可能性があります。


八島哲郎さん:
「もちろん干し柿は食べなくても命に別状はないから。ただ私が心配しているのは、2年連続の大不作で、干し柿づくりや農業をやめるという人が出てくるのが一番心配」


変形した柿の大量発生は、農家にとって深刻な問題になっています。

八島哲郎さん:
「40年干し柿を作っているけど初めて。60年作って初めての先輩もいるから、2年連続の大不作をどう乗り越えようかというのは、私だけではなくて、丸森の干し柿農家にとって本当に深刻な問題です」


8割というのには驚きました。味に違いはないということですが、加工が難しくなり見栄えも悪いとなると、商品にするのは難しそうです。専業農家の場合、出荷数が減ることはそのまま収入が減ることに繋がります。では、なぜこのような変形した柿が大量に発生しているのか。八島さんはこれまでに経験がないと言っていましたが、県の担当者に原因を取材してきました。