魚の平衡感覚などに関わる石状の組織=耳石を100種類集めた人のみに与えられる最高位の「三つ星耳石ハンター」が新たに2人誕生し6月10日、認定を受けました。このうち1人は7年間魚を食べ続け、宮城県内初となる高校生での達成です。

県庁で開かれた認定証交付式では、いずれも仙台市出身で行政書士の阿部純子さんと仙台二華高校2年生の齋藤啓輔さんが「三つ星耳石ハンター」の認定証を受け取りました。

この耳石ハンターのランクは一つ星からあり、最高位の三つ星は100種類の魚の耳石を集めたうえで、現物確認など県の審査をクリアする必要があります。

齋藤さんは、県内初の高校生での三つ星です。

仙台二華高校2年 齋藤啓輔さん:
「まずは尾頭付きの魚を100種類集めてくれたお母さんに感謝したい。そして三つ星とれてとても嬉しい」

耳石とは、目の後ろの頭の骨の中にあり、平衡感覚や音を感じる役割がある白くて薄い石のような組織です。

上中咲葵アナウンサー:
「耳石は種類によって大きさが異なります。こちらがマダイの耳石、こちらは少し小さくて見づらいのですがブリの耳石となっています」

このほか、魚の年齢や育った場所も耳石から判断することができます。齋藤さんは小学4年生の時に県の耳石ハンター養成講座の受講をきっかけに、7年かけて101種類の耳石を集めました。

なかでも気に入っているものは…。

仙台二華高校2年 齋藤啓輔さん:
「マダラというタラの耳石だが、見た目が外側がごつごつしていて結構特徴的で僕のお気に入りです」

県によりますと鮮魚店やスーパーに1年間で出回る魚は60種類ほど。齋藤家では、耳石を集めるため魚の種類が重複しないようにすることに苦労したといいます。

母 齋藤香奈さん:
「通称名と本当の名前が違ってそれを一匹一匹調べながら買っていくのが大変だった。魚づくしの食卓だった」

仙台二華高校2年 齋藤啓輔さん:
「新しい魚に会える楽しみと耳石の形がどんなのか想像しながら探して見つけたときの喜びが結構大きい。死ぬまでに1000種類集めたい」

県水産業振興課 松浦裕幸課長:
「ルールとして魚を食べて耳石を集めることになっているので、100種類以上の魚を味わって耳石をとったというところは我々も見習わなければいけない部分だなと思う」

耳石ハンターの認定制度は、魚の消費拡大に繋げようと2018年から始まったもので、県は、今後も活動を通じて普及促進につなげたい考えです。
三つ星耳石ハンターは斎藤さんと阿部さんを含め今回で5人となりました。