陸上自衛隊に所属する宮城県内の男性自衛官が、上司からの日常的なハラスメントで精神疾患を発症したとして、所属する駐屯地に公務災害を申請しました。男性自衛官は、相談しても環境は改善されなかったと話し、「自衛隊の隠ぺい体質を変えていきたい」と訴えました。

男性自衛官:
「せっかく自衛隊に入ったのに、なんでこんな目にあってしまうのだろうという気持ちで過ごしていた」

2024年12月に公務災害を申請したのは、宮城県内にある陸上自衛隊の駐屯地に所属する30代の男性自衛官です。会見によりますと男性自衛官は、2006年の入隊直後から上司に「女性よりかわいい」などと言われ、女装して忘年会に参加するよう強要されたほか、同僚らの前で下半身を露出させられたということです。このほか、翌年開かれた宴席では別の上司に火のついたタバコを胸に押し付けられ、やけどをしました。

男性自衛官:
「別の上司が加害者に注意してくれたことがあったが、その時、加害者が『お前何チクってんだ殺すぞ』と言って、逆に報復を受けた。(その後は)誰も注意しなかった」

男性自衛官は、当時の所属長に証拠写真などを提出し被害を訴えたものの、ハラスメントとは認められず、その後、PTSDと診断され、現在も精神科に通いながら勤務しています。

男性自衛官:
「見た人聞いた人がいても事実を隠ぺいするような体質を変えていけたら」

公務災害が申請された県内の陸上自衛隊の駐屯地はtbcの取材に対し「事実関係を確認中のため、現段階ではコメントできない」としています。公務災害が認められなかった場合、男性自衛官は提訴を視野に入れているということです。