東日本大震災発生から11日で13年です。宮城県内各地、それぞれの思いでこの日を迎えました。南三陸町の防災対策庁舎で、津波により同僚ら43人を亡くした男性は顧問を務める町の伝承施設で祈りを捧げました。

東日本大震災の伝承施設「南三陸311メモリアル」の顧問を務める高橋一清さん。震災から13年を迎える11日、訪れた人たちに向けてあの日の出来事やメッセージを伝えます。

元南三陸町職員 高橋一清さん(63):
「目の前に津波が来て、屋上に54人が避難したけれども、結局15.5メートルの津波に流されてしまった」

震災当時、町の職員だった高橋さんは防災対策庁舎にいましたが、避難所運営を指示されたためその場を離れ、残っていた同僚ら43人は犠牲になりました。

高橋さんは仲間たちに向け、あの日を未来に伝える場所から祈りを捧げました。

元南三陸町職員 高橋一清さん:
「最後まで頑張っていたあの姿を、その意味をみんなに防災という形で伝えていくのが自分の役割だと思っている」

高橋さんは防災対策庁舎が、今後も訪れた人にとって当時の出来事を伝えるための貴重な場であり続けてほしいと思っています。

元南三陸町職員 高橋一清さん(63):
「自分の命を守ることへの意識を高めてもらえる、そんな場になってもらえたら」

教訓を未来に繋ぐため。高橋さんはこれからも南三陸町で震災伝承活動を続けていきます。