宮城県内各地で撮影が行われた映画「パレード」の特別試写会が8日、仙台で行われました。映画では「震災」も描かれていて、監督の藤井道人さんは「喪失を経験した人に寄り添う映画を作りたかった」と語りました。
舞台挨拶した藤井道人監督は、映画「新聞記者」「余命10年」など数々の話題作を手がけてきました。

2月29日からネットフリックスで配信されている映画「パレード」。

主演の長澤まさみさん演じる美奈子は、がれきが打ち上げられた海辺で目を覚まし、離ればなれになった息子を探すうちに、リリー・フランキーさん演じる元映画プロデューサーのマイケルなど仲間たちと出会います。それぞれが会いたかった人を探す「パレード」に参加する中で少しずつ心を開き、悲しみと向き合っていく物語です。
長澤まさみさんが演じる報道記者、美奈子が働くテレビ局には、tbcの情報センターが使われました。ほかにも県内各地で撮影が行なわれ、地元の人たちも参加しました。

藤井道人監督:
「パレードのシーンは宮城の方、福島のみなさまに参加してもらって、とても寒かったと思うのでこの場を借りて申し訳ありませんでした。この中にいらっしゃいますか」(会場で手が上がる)

「震災」もこの映画の重要なテーマのひとつです。東日本大震災の発生から13年。藤井監督は、震災とどう向き合うべきか、悩み続けてきたと言います。

藤井道人監督:
「自分たちの映像、映画の力でできることってやっぱり残すこと。その人たちがそこにいたんだよっていう、存在したっていうものを人や場、そして時代を残すっていうのが映画を作るときに大事なんじゃないかって」
監督は、喪失を経験したすべての人に寄り添う映画を作りたかった、と語ります。

藤井道人監督:
「いつかくる別れだったりとか、そういうものに折り合いがつかなくなったら、きっとそういうときに映画っていうものが助けてくれると僕は信じていて。そういう喪失だったりとかやりきれなさっていうものに、そっと横にいてあげられるような映画になってくれたらいいなと思います」
映画「パレード」は動画配信サービスネットフリックスで公開されています。