「ひきこもりは大切なブレーキだった」じゃなかったら舞台演出家、宮本亞門はいなかった

牧野:高校生のときの自分に対して、ひきこもるなっていいますか?

宮本:ひきこもってよかったねって、ひきこもりは本当に大切なブレーキだったから。日本の教育はあまりにも自分と向き合わずにどんどん進んで行っちゃうけど、周りに比べられて比べられて「僕、だめなんじゃないか」だけになりがちだっただけに、あのブレーキは僕には必要でした。じゃなかったら僕、いま、舞台を演出したり、人と「亞門さんそんな発想があるんだ」とか、「こんな考えやこんな視点があるんだ」っていうことは考えられなかったかもしれない。

牧野:そこでイマジネーションがどんどん生まれて脳内が開発されていったっていう事もあるんでしょうね。

宮本:そのおかげで僕もきょうこうやってインタビューを受けているということです。

牧野:誤解を恐れずにいえば、必要な引きこもりってひょっとしたらあるのかもしれませんね。

宮本:自分のバランスってみんな違うんですよね。それを痛みに思わない方もいるかもしれないし、僕みたいにちょっと過敏すぎる人には辛かったりするし、みんな違っていていいんであって、「みんなやってるでしょう」なんていわないであげて、ゆっくり寄り添ったり、本当に心を開いて静かに話せるようなっていたらよかったなと思いますが、親も必死だったんでしょうね。

牧野:ラジオの前で悩んでらっしゃる方もいらっしゃると思いますけども、最後に一言、亞門さんからメッセージをお願いできますでしょうか?

宮本:僕が昔思ったのは、「どうせ、いくら頑張っても将来こうだよ」とか、自信がないと「どうせ」ばっかりだったんですね。「どうせ」ってついつい頭に浮かびがちなんですけどでも、それを1回ちょっと横に置いて、「きっと大丈夫だよっ」ていう「きっと」っていう気持ちを大切に大人になってくと、生きていて楽しいよ。いまつらいけど、将来は「きっと」面白くなるよって、「どうせ」という言葉を頭の中で「きっと」に変換していくと何か明るい光が見えてくるようなそんな気がします。

【厚生労働省がHPで紹介している主な悩み相談窓口】
◇いのちの電話 
0120-783-556(午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
0570-783-556(午前10時~午後10時)

#いのちSOS
0120-061-338(日~火、金は24時間対応、水、木、土は午前6時~深夜0時)

◇こころの健康相談統一ダイヤル 
0570-064-556(相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります)

◇よりそいホットライン 
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