では、なぜ勝てないのか。長年、静岡の高校野球を取材してきた雑誌『静岡高校野球』栗山司編集長は、「ここ数年の代表校は、静岡大会を制するだけでいっぱいいっぱいになってきた。強豪校といえども、大会初戦からまったく手が抜けない。全力で戦っていくので余力は残っておらず、甲子園では実力を十分に発揮できずに終わってしまう」と分析します。

今年も、春夏合わせて県内最多となる43回甲子園の土を踏んでいるシード校の静岡が初戦で敗退、夏連覇を目指した日大三島もノーシードの東海大静岡翔洋に敗れるなど、まさに群雄割拠の時代。静岡のレベルが決して低いではなく、県全体の力が上がっていることで、このような現象が起きているのではないか、というのです。
