熱海土石流災害の行政対応をめぐり、静岡県議会の特別委員会が県に検証のやり直しを求めながら、知事が要請に応じていなかった問題で、県は再検証を行う方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
28人が亡くなった熱海土石流災害では、起点となった違法な盛り土の造成などをめぐり、県や熱海市の行政対応が問題視されています。
県が設置した第三者委員会は2022年「行政対応は失敗だった」と結論づけましたが、県議会の特別委員会は行政が所管する法令ごとの検証が十分ではないとして「中立・公正な立場から再検証を行うべき」と提言していました。
これに対し、川勝知事は「やるべきことはやった」と再検証に対しては後ろ向きでしたが、関係者への取材から県は6月14日までに再検証を行う方針を固めたことが分かりました。
<坪内明美記者>
「まもなく熱海土石流災害から2年。責任の所在がいまだに判然としない中、検証不足に対しても被害者の不満の声もあり、県は再検証に踏み切る判断をしたとみられます」
遺族らが損害賠償を求めた裁判で、県と熱海市が被告となっていることから、訴訟に関係する内容や、すでに第三者委員会で検証された部分は除き、公文書による事実関係の整理と当時の担当者のヒアリングなどを改めて行うとみられます。
また、別の関係者によりますと、再検証の結果は県議会9月定例会を目標にまとめていくことになりそうです。