「電気がいらない自動ドア」。停電になってもいつも通り、開けることができます。近年、地震や大雨などで大規模な停電が相次いでいることから、注目されています。
<山本太朗記者>
「こちらの自動ドアですが、上を見ますとセンサーがありません。ただ、近くに行くと重さに反応して自動でドアが開きます」
電気がいらない自動ドアは、東京の会社が開発したもので、そのすべてを島田市のメーカーが製造しています。一般的な自動ドアは、停電をしてしまうと…。
<山本太朗記者>
「電源を切った自動ドアを開けると…大人の私でもかなり重たいです」
災害で停電したとき、ドアが開かなくなるという問題を解決しようと作られました。
<水野アルミ 水野貴章社長>
「通常の電気を使う自動ドアは、停電になった時は止まってしまって、手動で開閉する必要があるが、(この自動ドアは)災害があった時でも問題なく動いてくれる所に意義がある」
電気がいらない自動ドア。どのような仕組みで開くのでしょうか?
<水野アルミ 水野貴章社長>
「人がマットに乗ると扉が開く。人が通過すると扉が元に戻る。シーソーになっていて、テコの原理を使っている。重りが付いている方が下がっている時に扉が閉まっている。人が乗ることよって、重りより重い人が反対側に乗ることで、シーソーの上下が逆転して、斜めのラインを動いて扉が開く仕組み」
電気のいらない自動ドアは人の体重を利用しています。さらに、安全性にも配慮しています。
<山本太朗記者>
「手を挟まれても全く痛くないです。挟まれ事故の防止にもつながるんですね」
この自動ドアを導入した東京のテナントビルのオーナーは…。
<テナントビルのオーナー>
「ベビーカーの出入りや車いすの出入りがあるが、支障をきたさない。小さい子どもだと、乗っても開かないので、安全も高い」
ドアは、体重15kg以下だと開かない仕組みになっています。全国の商業施設や行政機関で導入が始まっていて、電気がいらず、節電にもつながり、CO2も排出しないことから問い合わせが相次いでいます。
<水野アルミ 水野貴章社長>
「子どもたちの明るい未来を考えた時に、災害が起きたり、環境を考えた時に、少しでも自分たちができる一歩を大人がしていく」
電気を使わない自動ドアは人と環境に優しく、災害時にも役立ちます。
電気のいらない自動ドアは導入費用は通常の自動ドアとあまり変わりません。ただ、電気代やモーターなどの消耗品の交換が必要なく、コストの削減につながります。