「目抜き通りにあった書店が20年ですべてなくなる」

「みなさまに本当にご愛顧いただき、深く厚く御礼申し上げます。ありがとうございました」
2020年7月26日、JR静岡駅前にそびえ立つ葵タワーの一角に占めた「戸田書店静岡本店」が閉店した。地上2階、地下1階ある大型書店だった。
静岡県の県庁所在地・静岡市の目抜き通り「呉服町通り」沿いには、20年前、地元資本の大型書店が4つ並んでいた。しかし、閉店や移転が相次ぎ、戸田書店の閉店で「地元の書店」のすべて姿を消した。現在、この通りで書籍を扱うのは、全国展開をする大手資本の店舗1軒のみだ。

その最大の理由がネットの影響だ。出版物の大手取次会社「日販」の調べによると、2016年度、書店で買った割合はネット販売と電子書籍を足しても、倍以上あった。しかし、わずか5年で、書店44%に対し、ネット販売と電子書籍の合計は38.1%とその差はわずか。本を店頭で買う人は間違いなく減り続けている。

一方で、書店の本棚に並ぶ無数の書籍の中からお気に入りの一冊を探すことは「まるで宝物探しをするようだ」と話すファンも多い。いまこそ、街の書店で素敵な一冊との出合いを楽しんでみてはいかがか。