実に、4年ぶりの対談です。今期限りで市長を退任する静岡市の田辺信宏市長が4月4日、川勝平太知事と面会しました。幾度となく「不仲」が取りざたされていた2人は、どんな言葉を交わしたのでしょうか。
静岡県庁の川勝知事のもとを訪れたのは、静岡市の田辺市長。
<川勝平太知事>
「ようこそお越しいただきました」
今期限りで退任する前に、田辺市長が知事との面会を希望しました。
<静岡市 田辺信宏市長>
「12年間お世話になり、本当にありがとうございました」
1対1で面会するのは、田辺市長が4年前に当選報告に来たとき以来。笑顔で言葉を交わす2人ですが、これまで、その関係性に注目されてきました。
遡ること10年前、いまでは想像がつかない仲睦まじい表情。
<川勝知事と田辺市長>
「話があいそうでよかった」
「ワッハッハ」
しかし、8年前、県と市の二重行政を解消させようという「県都構想」などをめぐって、2人の間には溝ができ始めます。
<川勝知事>
「キミのためじゃない、私のためでもない」
<田辺市長>
「キミ、キミとおっしゃいますが、静岡市長です」
<川勝知事>
「あ、市長さん」
<田辺市長>
「そこのところ、ずーっと気になっていたんです」
さらに。
<川勝知事>
「静岡市は政令指定都市として失敗事例と」
<田辺市長>
「公の席で失敗と断じる、これは断じて私は看過できません。口出しをし過ぎているんではないですか」
田辺市長は今回の会談で、この7年前のやりとりについて触れましたが…
<田辺市長>
「いまでも政令指定都市、静岡は失敗だったと思いますか?」
<川勝知事>
「人口減少の中で、市長は100万人都市を目指すと言った」
<田辺市長>
「私は100万人都市なんて言ってません」
<川勝知事>
「大変な苦労だったと思いますよ。選ばれる都市になりつつあるんじゃないですか」
<田辺市長>
「知事がきょう、こういう思いを語って頂いたのは、大変私にとって心強いし、ありがたいです」
最後に固い握手を交わした2人。
<田辺市長>
「飛ぶ鳥、後を濁さずという気持ちで、きょう伺いました。風通しをよくしなければならない」
一方、川勝知事は。
<川勝知事>
「次の市長と関係をよくしていかなくてはならないと思っていましたので、彼も気持ちよく4月12日の退任の日まで過ごしていただけるように」
4年ぶり、田辺市長の退任前、最後の対談となった今回、静岡市と県の関係はよい方向に進んでいくのでしょうか。