「どうか生きてほしい」

「潮の匂いは。」の一節

それでも、感情が詩という形になったことで周囲の変化も感じていました。

「よかったよ」
「書いてくれてありがとう」

そんな被災者からの反応は、詩にしたためた正直な言葉が確かな救いになっていることを示していました。

片平さんは「子どもたちと一緒に歩みたい」と話す

<片平侑佳さん>
「夏のオリンピックと冬のオリンピックこれが終わった後に始まる...」
<子ども>
「パラリンピック!」
<片平侑佳さん>
「当たり」

片平さんは現在、放課後デイサービスで働いています。教員免許を生かして障害のある子どもたちの成長を見守ります。

<片平侑佳さん>
「きょうおやつ食べられない子がいましたけど、(有事の時に)出された物を食べられなかったら死んじゃいますよね。生きるための営みの一つ。有事ではない今から練習していきたいなと。それを重ねて有事のときに生き延びる子どもになってほしい」

詩に込められた本音が「怒り」や「諦め」だとしたら、片平さんが今まっすぐに伝えたいのは「どうか生きてほしい」という願いです。

野蒜海岸に立つ片平さん

<和田啓記者>
片平さんが複雑な感情を一言一言丁寧に紡いでいる姿が印象的でした。片平さんは「自分が生き延びたのは運が良かっただけ」と話しています。

子どもたちには運ではなくて生き残る術(すべ)を身に付けてほしい、走らなくてもいいから一緒に歩みたいと語っています。

(取材:SBS静岡放送 和田啓)