クマによる被害が全国で相次ぐ中、静岡県内の観光地もクマ問題に頭を悩ませています。島田市の宿泊施設に寄せられた複数の予約キャンセル。発端となったのはクマと勘違いされたSNSでの投稿でした。

<川根温泉ふれあいの泉 早尻浩樹 支配人>
「こちら、全部で4区画ある電源付きの車中泊サイトになります」

静岡県島田市川根町の宿泊施設「川根温泉ふれあいの泉」。
紅葉が本格化するシーズンを前に、2025年10月、予約のキャンセルが入ったといいます。

その理由は、全国で相次ぐクマ被害。

人に被害を及ぼすケースが続いていますが、このクマが島田市川根町にも出没したという情報がSNSで拡散されたのです。

<大西晴季 記者>
「島田市川根町です。10月、大井川の対岸でクマとみられる動物の目撃情報がありました」

SNSでは大井川の土手を駆け降りる黒い動物のようなものが映っていました。
しかし、この情報…実は間違い。

島田市が調査した結果、目撃された動物はツキノワグマではなく、ニホンカモシカだったことが明らかになったのです。

この目撃情報が拡散した後、ふれあいの泉にはキャンセルや問い合わせが相次ぎました。

<川根温泉ふれあいの泉 早尻浩樹 支配人>
「いま(全国で)盛んにクマの被害が報告されている中で、やはりお客様もご心配だったのではないか」

11月7日、山形県の温泉旅館にクマが侵入しました。
山間の観光地にとってクマ問題は他人ごとではなく、ふれあいの泉では外にあるゴミ箱に鍵をかけたり、コテージの宿泊客にバーベキュー後にゴミを放置せず、コテージ内にしまうことを呼びかけたりするなど、野生動物が近づかないための対策を徹底しています。

<川根温泉ふれあいの泉 早尻浩樹 支配人>
「目撃は今のところないので、その分は安心かなとは思う。ただ、今後、冬場に向かって食料がないとかっていうと、クマがやってくる可能性もあるので、うーん、なんとも…」

これから紅葉シーズンの本格化を迎える山間の観光地は葉の色付きだけでなく、クマの出没情報にも敏感にならざるを得ない状況になっています。