静岡県は10月10日、県内で日本紅斑熱の新たな患者3名が確認されたと発表しました。これにより今年の感染者数は23人となり、過去最多を記録しています。
今回確認された患者のうち、熱海保健所管内の70歳代女性は9月20日頃に発熱し、発疹が出現。24日に医療機関に入院し、静岡県環境衛生科学研究所で検査を実施した結果、日本紅斑熱と診断されました。患者は右足のすねをマダニにかまれた自覚があり、発症前に草取りをしていたことから感染したと考えられています。
また、中部保健所管内の80歳代男性も9月下旬に発疹や発熱、全身脱力感の症状が現れて入院、検査の結果、日本紅斑熱と診断されました。こちらの患者もマダニにかまれた自覚はないものの、発症前に草取りをしていたとのことです。
このほか、10月に東部保健所管内の医療機関で1人が日本紅斑熱と診断されました。
静岡県では2020年から2025年までに合計65人の日本紅斑熱感染の患者が確認されています。そのうち届出時点での死者は3人となっています。2025年は23人の感染が確認され、これまで最も多かった2024年の14人を上回り、過去最多となっています。
このため県では、マダニにかまれないよう、野山や草むらに入る際は、長袖・長ズボン・帽子を着用し、肌の露出を減らすなどの対策を十分するよう注意を呼びかけています。
※マダニが媒介する感染症とは
静岡県によりますと、日本紅斑熱は、特定の病原体を保有するマダニに咬まれることで感染します。潜伏期間は2日から8日で、高熱や発疹などの症状が現れます。重症化すると死亡することもあるため注意が必要です。
また、マダニが媒介する感染症には重症熱性血小板減少症候群(SFTS)もあります。こちらは潜伏期間が6日から14日で、発熱や消化器症状が特徴です。県内では2021年に初めて確認され、2025年は既に8人の感染者(うち死亡3人)が報告されています。