静岡県伊東市の田久保市長が9月29日の定例会見で発表した新しいルール。今後、新たに市長に就任した人は市に学歴証明書を提出することとしています。制定の理由について市長は「事務手続きの簡略化」などと説明しました。

田久保市長が議会の解散後、初めて臨んだ定例記者会見。自身の前に設置したのはスマートフォンです。

<田久保真紀伊東市長>
「まだ、どういうふうに扱うか決めていないが、自分の発言を含め、記録として撮らせていただきます」

田久保市長のSNSによると、「報道の検証用」だということです。29日は市長の学歴や経歴を巡る新たなルールについて説明がありました。

<田久保真紀伊東市長>
「市長就任時提出書類等に関する要領の制定についてご報告いたします。最終学歴の学歴証明書、職歴証明書等を就任から21日以内に提出することとして制定いたしました」

田久保市長が発表したのは市長職を務める人物の経歴に関する新たな規定です。今後、市長が新たに就任した際に個人情報を正確に取得するため、学歴証明書や職歴の証明書などを就任から21日以内に市の秘書広報課に提出することとしています。

<記者>
「自身の学歴問題が決定のきっかけになった?」

<田久保市長>
「もちろんきっかけとしてはありますが、事務手続きを整えることでスムーズに確認できるので整理した」

<記者>
「ごまかす人がいるかもしれないということでの要領?」

<田久保市長>
「ごまかす人がいるかもしれないということではなくて、事務手続きを整理して簡略化するという意味でも無駄のないように整理をさせていただいた」

<記者>
「そもそも必要がないレベルのような気がしますが」

<記者>
「ご自身の卒業証書をオープンにしていないのに、このように定めることは論点ずらしとしか思えませんが」

<田久保市長>
「市長としましては、できるだけ担当する課の事務手続きについて簡略化するというのは仕事のひとつだと思っておりますので」

施行開始は10月1日からで、提出された学歴証明書などは事務方が確認し、情報は市のホームページに掲載する方針です。田久保市長も書類を提出するということです。

<記者>
「田久保市長はどういう書類を提出する?」

<田久保市長>
「最終学歴ですので、私は高校卒業の証明書をとりまして、提出させていただく。制定すれば事務方も迷いなく進められますので、あるべきルールはあったほうがよいかなと」

今回も発表事案以外の質問に答えない意向を示していた田久保市長。全ての議案の発表が終わると、そのほかの質問には答えず会見場をあとにしました。伊東市によりますと、市長の経歴情報を確認した上で公表する要領を制定したのは、県内では初めてだということです。