富士山は2025年9月10日に閉山日を迎え、夏山シーズンを終えました。長年富士登山の現場を見てきた山小屋関係者は、「弾丸登山がほとんどなくなった」と登山規制を評価しました。

9月10日午後5時、富士山須走口の登山道が閉鎖されました。2か月にわたる夏山シーズンでしたが、2025年は富士登山のあり方が大きく変わりました。

富士山に入山するには、▼富士登山のルールなどの事前学習、▼1人1回4000円の入山料の納付、さらに午後2時から翌朝午前3時までの入山は山小屋の宿泊予約が必要となり、この条件を満たさなければ登ることができません。

<愛知県からの登山客>
「安全に登れるというルールなのかなと思うとすごくいいことだと思いました」

<愛知県からの登山客>
「(入山料は)高いと思いました。僕たち学生なんですけど学割がきいたらいいかな」

<神奈川県からの登山客>
「弾丸登山とか、あまり詳しくないですけど危険だと思うのでいいと思います」

受け止めはさまざまですが、安全のために登山規制は必要という意見が目立ちました。山小屋関係者は、変革のシーズンを評価しています。

<東富士山荘 米山千晴さん>
「いい成果というと、弾丸登山がほとんどなくなった。人がうまくまんべんなく1日滞留し、うまく流れたということを考えると、今年はかつてない素晴らしい年だったのかな」

規制を強化したことで登山客の落ち込みが懸念された2025年の夏山シーズン。しかし、8月末までの数字をみても2024年から約3000人の減少で、影響は限定的でした。

<静岡県富士山世界遺産課 池ヶ谷達也班長>
「ルールを事前にご理解いただいた上で手続きを進めていただいたので、大きなトラブルはなかった。(静岡県内では)死亡事故がないというのが一番よかったかなと思っております。規制の第一歩が踏み出せた形ですので、次年度以降、よりブラッシュアップして登山者の方に安全安心な登山環境を提供できるようにやっていければ」

県は、入山料や規制時間などに対して様々な意見があることも踏まえて、今後に生かしていきたいとしています。