「世界」に行くまでに結構苦戦
世界を制してからおよそ半年、決勝戦の相手について尋ねると、岸本選手は少し考え込んだ後、「えっと、あのなんかヨーグルトみたいな名前の…」とまさかの回答。「もしかして、ブルガリア?」と問いかけると、「あ、そうです!」と明るい表情で返答した岸本選手。親しみやすさが伝わってくるやり取りでした。

さらに世界大会について聞くと、こちらも意外な感想が返ってきました。
「強かったですけど、いま日本の方がレベルが結構高くて。ジュニア(の階級)だと日本の予選の方がレベルが高くて、そこに行くまでに結構苦戦しましたね。なので、世界大会は楽しくできますよ」。
この発言からは、岸本選手の強さと同時に、日本の女子相撲のレベルの高さもうかがえます。世界大会を「楽しく」戦えるという感覚は、まさに強者の余裕を感じさせます。
岸本選手に自身の相撲の特徴について尋ねると、「左も積極的に差したりとか。あとは結構いろんな技を使おうと思ってやっています」。左差しを積極的に使うことで、相手の動きを制限し、自分の得意な展開に持ち込む戦略が見て取れます。

また、多彩な技を駆使する点も岸本選手の強みです。相撲部の栗原大介顧問は、「柔軟にその場、その場に応じた相撲が取れるその器用さ」を高く評価。この器用さで相手を翻弄します。