「お母さん、ごめんなさい」
最終意見陳述で証言台に立った男は、涙で声を詰まらせながら、15分にわたって思いを語った。
「被害を被った住人の皆さん、周辺にお住まいの方々、ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「本当に今回の事件は、私が両親に対する甘え、自分自身の身勝手さ、軽率な考え方と行動、人間として許されない行動を起こしたこと、それを背負いながら罪を償っていきたいと思います」
「お母さん、ごめんなさい」

2024年12月19日、判決の日。
裁判長は「犯行動機は自己中心的で身勝手というほかない。他方で、計画性がなく感情的に犯行に及んでおり、火を大きく燃え上がらせるつもりもなかったことはある程度考慮される」などと認定。男に懲役7年の判決を下した。