45停留所 選んだ決め手は「親切」

◆停留所はどう決めた?
私自身が、自分の役割を伏せて、直接足を運び、食事をしたり店の人と話したりして、親切にしていただいたかどうかを選定基準にした。

観光客の第一印象は、その土地で出会う店の人や運転手の対応によって決まる。だからこそ、外から来た人に温かい対応をしてくださるかどうかをとても大切にしている。

つなモビの「つな」は、ツナだけでなく「つながり」の「つな」でもある。人と人のつながりによって焼津の町を好きになってもらい、また戻ってきてほしい。
親切にしてくださることで、観光客と店主の心と心の距離が縮まり、焼津に繰り返し訪れるファンをつくることにつながる。

◆交流を生むために工夫していることは?
3minutes Project」。自分の店のこと、商品のことなど何でもいい。つなモビで訪れたお客さんに3分間、説明をしてくださいとお願いしている。

たかが3分だが、店主が自ら店の魅力、焼津の魅力を発信することで、観光客と店の間に交流が生まれ、観光客は町をより身近に感じられる。

◆乗客の反応は?
1日の平均乗車回数は約40回と、国内の同類の実験でも最上位。上々だ。今は乗客の数も予想を上回っている。

貸し切りたいという要望が多い。「80歳の女子会をするので貸し切りたい」「焼津を案内するにはつなモビに乗ってもらうのが一番いいので2時間貸し切りたい」など。乗客が6人集まれば対応している。

観光客は、例えば朝10時にホテルをチェックアウトして午後東京に帰る。3時間半程度で昼食を食べてお土産を買って、限られた時間をなるべく楽しみたいという人にとっては、つなモビでダイレクトに店へ行ける点で好評だと感じる。