「こんな夜間に1人にしちゃいけない」
「こんな夜間に1人にしちゃいけない。守ってあげなきゃ」
スマホで最寄りの警察署に連絡し、警察官が現場に来るまで、男子児童を見守り続けようと決意した笠井さん。電話をつなぎっぱなしの状態で居場所を伝えつつ、男子児童が歩道から車道にはみ出そうとした時だけ、さっと近づき、支えていたと話します。
結局、駆け付けた警察が男子児童を保護。この男子児童(10)には、家族から行方不明届が出されていて、警察が捜索を続けていました。
警察が現場に来るまでに要した時間は約10分。命の危険が脅かされるような場面は、結果的にはありませんでしたが、笠井さんにとっては、気の遠くなるような時間だったそうです。
男子児童の保護に大きく貢献してくれたとして、警察は笠井さんに感謝状を贈呈。不審な子どもを見た人が通報をしてくれることは、間々あるものの、通報しながら、最後まで子どもを見守り続けるというケースは、あまり聞いたことがないといいます。
「車道に飛び出して、車に接触とかも無くて、安全にご家族のもとに返せてよかった」
笠井さんは、自分の力ではどうにもならなかったと当時の事を振り返りました。
子どもに声をかけると不審者扱いされてしまうリスクのある今の世の中。そんな中で彼女がふり絞った勇気と、その行動力が1人の少年を救ったことは事実です。