日米友好のため、人形を贈る活動を続けてきたアメリカ人の夫妻が、長野市の小学校を訪れて子どもたちと交流しました。
城山(じょうやま)小学校を訪れたのは、アメリカ人で数学者のデニー・ギューリックさんと、妻のフランシスさん。
これまで20回ほど日本を訪れています。
訪問の懸け橋となったのは、城山小にある青い目の人形・ジョアンナさん。
9年前に夫妻が学校に贈ったものです。
なぜ人形なのか?
そのきっかけとなったのが、宣教師だった祖父、ギューリック1世です。
当時、母国・アメリカで見た日本人移民の排斥の動きとそれによる関係悪化に心を痛め、昭和2年=1927年、日米友好の証しとして寄付を募り、1万2,700体もの人形を日本に贈りました。
県内にも、城山小学校を含めて286体が届けられています。
23日は、その経緯を劇にしたDVDも上映。
戦時中は、敵国の人形だとしてその多くが失われた一方で、県内では、密かにしまってあった学校もあり、全国で最も多い29体が残されています。
40年ほど前に、祖父の功績を聞いて感銘を受けたギューリックさんは、1989年から祖父と同じように青い目の人形を贈る活動を開始。
これまでに300体以上を日本に贈ってきたほか、県内にも2004年以降、今回も含めて8回訪問し、友好を深めてきました。
この日の交流会では、贈られた人形「ジョアンナさん」の友達として子どもたちが描いた絵も披露され、長年続いてきた交流をあらためて振り返りました。
■6年生
「世界もそうだけど、仲がいいのが一番だなと思いました」
■4年生
「人形を大切に、みんなで守っていきたい」
■ギューリックさん
「いまの世界にもこうした人形が必要ですね」
■フランシスさん
「いまのところ活動を継承する人はいませんが、友人や孫に伝えていきますし、今後 興味を持ってくれるかもしれません。若い人たちに期待したいです」
国と国との関係が悪化する中で、90年前に始まった友好のための取り組み。
ギューリックさん夫妻は、その思いが、人形を通じて、今後も伝わって行くことを願っています。