辰野町で、必要な申請がないまま太陽光発電施設の建設が行われていた問題で、町は条例に違反しているとして、事業者の対応によっては法的措置をとる方針を示しました。
問題となっているのは、辰野町の小野飯沼(おのいいぬま)地区で建設中の太陽光発電施設です。
町の条例では、出力が30キロワット以上の「特定発電事業」については、事前の申請や地元の同意などが必要ですが、今回の計画では、隣接する区域で別々の事業者がそれぞれ30キロワット未満を発電する形をとり、申請が行われていません。
しかし、町の調査では、それぞれの事業者はすべて東京にある同じ会社の指示を受けていたとみられることが判明。
町は、一つの事業者の事業を、複数の業者が別々に行っているようにみせかけた「条例逃れ」だと指摘しています。
22日に会見を開いた町は、関係する事業者に必要な手続きをとるよう通知したものの、期限までに対応がなかったと明らかにしました。
そのうえで、申請がないまま工事が進められた場合は、事業者の対応によっては工事の中止や設備の撤去などを求め、法的措置をとる姿勢を示しました。
■武居保男(たけい・やすお)町長
「町としての基本方針も固まったので、地域住民の安心をとにかく確保したい」
町によりますと現在、工事は中断されていますが、現場にはすでに複数台の太陽光パネルが設置され、資材も放置されままです。
町は23日に、近隣の住民を対象に対応を説明する予定です。