容疑者の男は、午前8時ごろから8時35分頃までの間に本堂に安置されていたびんずる像を1人で盗んだとされます。


2009年に修復のため、東京に運び出されたときの映像では、木製のびんずる像を係員が一人で軽々と運んでいるのがわかります。

ひとりで運べるにしても、びんずる像は本堂正面の出入口に近い、目立つ場所にあります。


国宝の善光寺本堂を正面から入ると、最初に参拝者の目に留まるのが、今回盗まれた「びんずる尊者像」です。

高さ80センチ余り、「おびんずるさん」とも呼ばれ、病気になった人が、自分の患部と同じところを触れることで、病気を治してもらえると信じられています。


善光寺参拝者の多くが、びんずる尊者にあやかりたいと像に触れ、「撫仏(なでぼとけ)」とも呼ばれています。

1713年=正徳三年に安置されて以来、300年以上の間、人々に撫でられてきました。