サッカーJ3のAC長野パルセイロは、8位でシーズンを終えました。
就任1年目の若き監督とともに挑んだ今シーズン。
J2昇格には届かなかったものの、積み上げた成果、そして、悲願達成への課題に迫ります。

シュタルフ悠紀(ゆうき)リヒャルト監督を招聘して挑んだ、今シーズン。
球際の攻防を制し、アグレッシブに攻める!
攻撃的なスタイルを全面に、14勝10分10敗で、18チーム中8位。
昨シーズンより順位を1つ上げたものの、悲願のJ2昇格にはまたしても届きませんでした。

(シュタルフ監督)「誇らしい戦いを選手たちが見せてくれた結果の8位なので、そこに対しては受け止めるしかないのかなと思います」

パルセイロが今シーズンスタートから取り組んできたのが、攻撃的なスタイルの構築です。
そのベースとして磨いてきたのが、テンポよく正確にパスをつなぎ攻撃を組み立てる「ビルドアップ」。
10月の相模原戦では、キーパーから攻撃を始めると…、
一度も相手に触られることなくつないだパスは10本!
ゴールに結びつけました。
今シーズンの一試合あたりの攻撃回数は、リーグで5番目に多い126回。
攻撃的なスタイルは着実に浸透してきています。
しかしその反面、最後まで課題になったのが、「決定力」です。

(シュタルフ監督)「ラストプレーの精度でしたり、やっぱりチャンスを決め切る力みたいなところが、今年のチームには一番、足りなかった部分なのかなと思ってます」

シュートの成功率は、8.5%でリーグ12番目。
作れるようになった多くのチャンスを確実に得点につなげることが、来シーズンの鍵となります。
選手の育成にも定評がある、シュタルフ監督のもと、若手の成長も見られました。


(山中麗央選手)「楽しいこともあったんですけど、大変な一年だったと思います」

パルセイロの育成組織出身の山中麗央(やまなかれお)選手。
高い得点能力が光るミッドフィルダーで、拓殖大学を経て、今シーズン、パルセイロでプロとしてのスタートを切りました。
デビュー戦は4月。
いわきFCをホームに迎えた試合で、スタメン出場を飾りました。

(山中麗央選手)「酷いとしか言いようがない、悔しさしかなかった試合でした」

気持ちとは裏腹に、精彩を欠いたプレー。
前半終了で交代となり、プロの厳しさを知らされたデビュー戦でした。

(山中麗央選手)「あの試合を経験したことで、もう失うものは何もなくなったので、思い切ってやるようになりました」
悔しさを糧に。
この試合を転機に、第10節からは途中出場も含めて、ほぼ毎試合ピッチに立つようになった山中選手。
持ち前の得点能力を生かして、積み上げたゴールは6。
チームで2番目に多い得点を上げ、確かな存在感を示しました。
大きな成長を遂げたルーキーは、来シーズン、さらなる飛躍を誓います。

(山中麗央選手)「J2昇格というチームの目標に向かって、自分が点を取って、チームを引っ張っていけるようにやっていきたいと思います」
来シーズンはJ3参戦10年目。
クラブは若い力を引き続き育てていくとともに、補強では決定力のある選手やJ3での経験値が高い選手の獲得に動いています。

J2昇格へ。
このオフシーズンさらにチーム力を高め、悲願達成を目指します。

(シュタルフ監督)「スタイルの根本のところは、積み上げてこそ意味があると思っているので、大きく変わることはないと思います、攻守において、アグレッシブにスピーディーに、選手の特長を生かせるようなチーム作りをしていきたいなと思います」